関西大学システム理工学部 物理・応用物理学科 流体物理研究室

 

Fluid Physics Lab. Kansai Univ.

研究テーマ

生体内各組織の隅々にまで酸素や栄養素を送り届け、また各組織でできた不要物を運び去ることは血液循環の最も重要な役割であり、生命維持のために不可欠です。そのような血液と血管外組織との間の物質輸送は、毛細血管の血管壁を介してなされます。当研究室では、生体内微小血管壁を介した溶質や媒質の物質輸送現象を、流体の基礎方程式を元にモデル化し、計算機シミュレーションにより解析しています。

生体内の細静脈では、血液に含まれる白血球が血管内壁をころがったり、粘着するという特異的な現象が見られます。当研究室では、生体内において粘着白血球に作用する応力を流体力学的に評価し、白血球の細胞機能との関係を明らかにすることを目指しています。血漿層等も含めた血液流れの数値シミュレーションを新規に提案し、海外共同研究者の生体内計測結果と比較・検討して、モデルの改良をしながら研究を進めています。

壁剪断乱流の代表例である平面クエット流においてヘアピン状の渦パターンを持つ定常解を数値的に求め、渦のトポロジーや摩擦応力、その他の静的特性や、定常解が乱流において果たす役割について研究しています。(英国アストン大学のS.C.Generalis博士との国際共同研究)

完全反射性浸透膜をとおした分子性流体の非平衡な移動プロセスを数値計算でシミュレーションし、流体の物性値を求めたり、計算結果を可視化したり、内部に伝わる溶質と溶媒の間の応力と流体の移動の因果関係を研究しています。その他、物質の拡散過程を示すシミュレーションなども行っています(写真をクリックすると動画が再生されます)。

血液の中に含まれる血小板は、血管が破れ異物に接した場合に凝集して、止血する作用があります。当研究室では、流れにより活性化された血小板が凝集するメカニズムを解明するために、顕微鏡−高速ビデオカメラを用いたマイクロPIV計測や、流れ中の血小板・蛍光粒子の挙動解析を行うとともに、対応する流れ場の数値シミュレーションを行っています。

生体内物質輸送のモデル解析

分子動力学計算を用いた非平衡状態下の液体の振舞いのシミュレーション

乱流における秩序構造の分岐解析(国際共同研究)

細静脈内の粘着白血球に作用する応力の解析(国際共同研究)

血栓症測定装置内における血小板凝集過程(国内共同研究)